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第2話:悪夢の「Inaccessible Boot Device」!VMDの罠をpnputilとdismで突破せよ

前回のあらすじ:古いPCの環境を丸ごと新PCへ移行すべく、SSDのクローンを作成。いざ新PCへセットして電源ON!見事にWindows 10のデスクトップが表示され、「勝った!」と確信したのですが……悪夢はここから始まりました。

突如として現れた青い画面「Inaccessible Boot Device」

無事に起動した喜びも束の間、新PCのパフォーマンスを引き出すためにBIOS(UEFI)の設定を見直していたときのことです。ストレージ機能の「VMD(Intel Volume Management Device)」を有効にしたところ、状況が一変しました。

再起動すると、いつものWindowsロゴの直後に画面が真っ青に。

Stop Code: INACCESSIBLE BOOT DEVICE

いわゆるブルー画面(BSOD)です。何回再起動しても、スタートアップ修復を試しても、同じエラーで弾かれてWindowsがまったく起動しなくなってしまいました。

なぜVMDを有効にすると起動しなくなるのか?

VMD(Volume Management Device)は、Intel第11世代以降のCPUやマザーボードに搭載されているストレージ機能です。非常に便利なのですが、「VMD用のストレージドライバー(Intel RST VMD Driver)」がOS側に読み込まれていないと、Windowsはストレージの場所すら認識できなくなります。

今回移植したのは、古いPCからクローンしたWindows 10。当然、新しいPCのVMDドライバーなんて入っていません。

さらに恐ろしいのは、Windowsの回復ドライブ(コマンドプロンプト)を起動しても、VMDドライバーがないためOSが入っているSSD(Cドライブ等)が画面上に一切表示されない(diskpart でも見えない)という点です。

「詰んだ……」と絶望しかけましたが、ここからがコマンド操作の本番です。

起動しないOSにドライバーを叩き込む!救世主「pnputil」と「dism」

Windows本体が起動しなくても、回復ドライブのコマンドプロンプトから pnputildism を順番に使うことで、この問題を突破できます。

準備したもの

  1. VMDドライバーを保存したUSBメモリ あらかじめ別のPCでマザーボードの公式サイトから「Intel RST VMD Driver」をダウンロードし、解凍したものをUSBメモリに保存しておきます。
  2. Windows 10/11 の回復ドライブ(またはインストールUSB)

復旧へのレスキュー手順

STEP 1:回復ドライブのコマンドプロンプトを起動

回復ドライブ(またはインストールUSB)からPCを起動し、「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「コマンドプロンプト」を開きます。

STEP 2:pnputil で回復環境にVMDドライバーを認識させる

この時点では、コマンドプロンプト側(一時的なメモリ空間)もVMDドライバがないため、肝心のSSD(OSドライブ)を認識できていません。

まずは pnputil コマンドを使い、今動いている回復環境自体にVMDドライバーを読み込ませます。

pnputil -i -a "D:\VMD_Driver\f6vmdflpy-x64\iaStorVD.inf"

(※ D: はVMDドライバーを入れたUSBメモリのドライブレター)

これを実行すると、回復環境がVMD経由でSSDを読み込めるようになります!

STEP 3:diskpart でWindowsが入っているドライブを確認する

回復環境がSSDを認識できるようになったので、diskpart を使って移植したWindows本体がどのドライブレター(例:C:)になっているか確認します。

diskpart
list vol

ここで「NTFS」でフォーマットされたWindowsのメインパーティション(例:Volume 0 が C: など)がしっかり表示されていれば大成功です! (※ドライブレターが未割り当ての場合は select vol Xassign letter=C: などで割り当てます)

exitdiskpart を抜けます。

STEP 4:dism でWindows本体へVMDドライバーを注入する

ここからが仕上げです。確認した C: ドライブ(Windows本体)に対して、dism コマンドを使ってVMDドライバーを直接追加(注入)します。

DISM /Image:C:\ /Add-Driver /driver:"D:\VMD_Driver\f6vmdflpy-x64\" /recurse
  • /Image:C:\ :オフライン状態のWindows(Cドライブ)を指定
  • /Add-Driver :ドライバーを追加
  • /recurse :指定したフォルダ内を再帰的に検索して適用

コマンドを実行し、「操作は正常に完了しました」と表示されれば注入完了です!

いざ再起動…!運命の瞬間

コマンドプロンプトを閉じ、回復ドライブ(USB)を抜いてPCを再起動します。 BIOS設定はもちろん「VMD有効」のままです。

クルクル……(祈るような思いで見つめる)……

「Windowsを準備しています」

やったー! あの恐ろしい青い画面(INACCESSIBLE BOOT DEVICE)を回避し、見事にWindowsのログイン画面が表示されました! 旧PCのアプリもデータも設定もすべて維持されたまま、無事にVMD有効化での起動に成功です!

今回のトラブルから学んだこと

クローン作成による環境移行は便利ですが、「マザーボードのストレージ制御(VMDなど)が変わると、回復環境からすらドライブが見えなくなる」という深い罠がありました。

しかし、

  1. pnputil回復環境にドライバを適用してドライブを認識させる
  2. dismOS本体にドライバを注入する

この2段階のステップを知っていれば、クリーンインストールをし直さなくても環境を救出す出すことができます。

この方法で、新しいPCにデータを引き継ぎ、そこからWindowsアップデートで無事、起動処理をすることができました。

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この記事を書いた人
代表取締役 山下
某国立大学で情報系の研究で博士号を取得したにも関わらず、学生時代に行っていた学習塾のアルバイトで人との交流を持つ楽しさを知り、一念発起して「パソコンの家庭教師」を主軸とした事業を立ち上げる。その後パソコンのメンテナンス、修理をメイン業務とした事業を主軸とし、「株式会社エイド」を設立。困っていると手を貸さずにはいられない性格が災いし(?)、修理を全国に広げようとSSD交換ドクターを開設いたしました。皆さんのお力になれることが喜びです。