前回の記事では、M.2 SSDの「SATA接続」と「NVMe接続」の違いや、端子の切り欠きによる見分け方について解説しました。
今回は、NVMe SSDを選ぶ際に必ず目にする「PCIe Gen3」「PCIe Gen4」「PCIe Gen5」という世代(帯域幅)の違いについて詳しく見ていきましょう!
数字が大きい方が速そうなのは想像がつきますが、「自分のパソコンで使えるのか?」「速度の差は体感できるのか?」など、知っておくべきポイントを整理します。
1. PCIe Gen3 / Gen4 / Gen5 の速度比較
「PCIe(PCI Express)」とは、SSDがデータをやり取りする高速道路のようなものです。そして「Gen(Generation=世代)」が進むごとに、最高速度の制限速度が2倍ずつ引き上げられています。
NVMe SSD(x4レーン接続)の最高速度の目安は以下の通りです。
| 世代 | 転送速度の目安 | 特徴 |
| PCIe Gen3 | 約 3,500 MB/s | 数年前の主流。今でも十分速く、コスパが高い |
| PCIe Gen4 | 約 7,500 MB/s | 現在の標準。PS5の拡張スロットでも要求される規格 |
| PCIe Gen5 | 約 14,000 MB/s | 最新・最速規格。超高速だが高価で熱対策が必須 |
Gen3からGen5になると、理論上は約4倍ものスピード差が出ることになります。
2. 互換性の疑問:「世代が違っても挿して使える?」
結論から言うと、PCIeには互換性があるので、世代が違っても問題なく動作します!
例えば:
- Gen3対応の古いPCに、Gen4やGen5のSSDを挿す ➡ 動きます!
- Gen4/Gen5対応の最新PCに、Gen3のSSDを挿す ➡ 動きます!
ただし、注意点があります。速度は「低い方の世代」に合わせて自動制限されるということです。
- Gen3対応PC + Gen4 SSD = 動作するが、速度はGen3上限の約3,500MB/sに制限される
- Gen4対応PC + Gen3 SSD = 動作するが、SSD側の性能上限である約3,500MB/sで動く
「間違えて古い規格のPCに最新SSDを挿しても壊れることはない」と覚えておくと安心です。
3. 速いSSDほど注意したい「発熱問題(ヒートシンク)」
PCIe Gen4やGen5のSSDを選ぶ際に絶対に無視できないのが「熱」です。
SSDは高速でデータをやり取りするほど強力に発熱します。特にGen5や高速なGen4モデルは、何もしないと70〜80℃以上に達することも珍しくありません。
- サーマルスロットリングに注意SSDは高温になりすぎると、壊れないように自動で転送速度を落とす「サーマルスロットリング」という保護機能が働きます。せっかく高いお金を出してGen5を買っても、熱対策を怠るとGen3並みの速度まで低下してしまうことがあります。
- 対策Gen4以上のSSDを使う場合は、金属製のヒートシンク(放熱板)を取り付けたり、マザーボード付属の冷却プレートを活用するのが必須となります。

4. 正直、体感速度は変わるの? どれを選ぶべき?
「Gen5の14,000MB/sってすごそう!」と思いますが、実際の使用感はどうでしょうか?
- OSの起動・Web閲覧・ゲームのロード時間正直なところ、Gen3・Gen4・Gen5の差を体感で聞き分けるのはかなり難しいです。どれを使っても一瞬で読み込みが終わるため、数秒(あるいはコンマ数秒)の差しかつきません。
- 4K/8Kの動画編集・超大容量ファイルの転送数百GB単位の巨大なデータを日常的にコピー・移動する作業では、Gen4やGen5の圧倒的な速さが威力を発揮します。
【おすすめの選び方】
- コスパ&普段使い重視 ➡ PCIe Gen3 または 低価格なGen4
- PS5の容量拡張・最新PCで標準的な構成 ➡ PCIe Gen4
- 最高性能を求めるクリエイター&ハイスペック自作PC ➡ PCIe Gen5(ヒートシンク必須)
まとめ
- Gen3/Gen4/Gen5 はPCIe高速道路の「制限速度(世代)」
- 世代が違っても互換性はある(速度は低い方に合わさる)
- Gen4・Gen5は発熱しやすいのでヒートシンク等の冷却対策が大切
- 普段使いやゲームならGen4で十分満足できる!
次回は連載の締めくくりとして、マニアックだけど超重要!「基板の厚みと裏表(S1, S2, D1, D2などの両面・片面実装)」について解説します。薄型ノートPCやポータブルゲーム機(Steam Deckなど)に換装予定の方は必見です!
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